中川翔子氏

 

>237804 変わり続けること >中川翔子 ( 21 学生 ) 10/09/13 AM01 【印刷用へ】 

>「自主管理への招待」第一弾を終え、研修直後に感じ得た私にとっての成果を、心の中で数日間あたためてから改めて思い返してみると、今回の研修で一番心に残っていたのは「変わり続けるということの素晴らしさ」でした。

 

現実の内容は千変万化し続けますからね。

 

> 本当の安定とは、人に目を向け、社会に目を向け、地球に目を向け、この世界を形づくる一員として、まずは自身が「安定して変わり続けられること」ではないでしょうか。

 

遠い未来に目標を定めて、たゆみなく歩み続けことが大切ではないでしょうか。だが、日本人にはこの目標を定めることが難しい。

'どのような状況にも普遍的に通用する真理や法則、基本概念や倫理がありうるという考え方が、日本にはほとんど存在しない。' (カレル・ヴァン・ウォルフレン) 

 

>しかし、「変わる」と「流される」は意識の上では紙一重である場合も多く、すべてのスピードが速い現代社会の中では特に、自分ひとりで正しい方向を見据えて変化し続けるのは困難です。

 

日本人は、無哲学・能天気ですからね。考えがない。’人の振り見て我がふり直せ’ の程度になる。

‘周りの影響を受けずに、真に独立した考えができる知識人がいない。’ ( グレゴリー・クラーク)  

 

> 互いに考えを交換し合い、ともに模索する仲間が必要です。 

 

そうですね。しかし、日本人には世界観がない。だから、お互いに自己の世界観を比較し合うことが難しい。

自己のない人たちの考えの交換はいわゆる ‘なれ合い’ になる。なれ合いからは、何も生まれない。

なあなあ主義: 真の意味での検討や意見の交換などをせず、お互いに「なあ、いいだろう」ぐらいの話し合いで全てを済ませること。

 

>真剣な「対話」の繰り返しの中から、本当の答えが見えてきます。

 

全ての考えは、文章になる。文章にならないものは考えではない。

矛盾を含まない文章は、すべて正しい考えを示している。考えは、人人により様々である。だから、正解も一つではない。幾らでもある。

矛盾を含んでいる文章もその矛盾を取り除けば正しい考えを表すものとなる。この操作には対話・議論が有効であります。ですから、対話・議論を盛んにしましょう。

 

> 世界を、文化を肌で感じる努力を惜しまず、社会に呼応し、変わり続けるこということは、自然界のルールに法り、生物の本性に素直な、「平和」の哲学であると思います。

 

なにはともあれ現実直視が必要ですね。

現実の内容は頭の外にある。それは見ることができる。見ればわかる。答えは一つである。考えることは必要ない。これは楽ちんである。 

非現実 (考え) の内容は頭の中にある。それは見ることができない。ただの話である。その話の内容を知るには文章を文法に従って理解しなければならない。それは大変骨の折れる仕事である。だから、日本人は理解をしない。通常、忖度で済ませている。

理解と忖度は似て非なるものであるから注意が必要である。忖度 (推察) は聞き手の勝手な解釈であるから、話し手には何の責任もない。両者の間に齟齬が存在しても議論にもならない。現実直視になっていない。このことを忖度の主に指摘しても、だって、私は本当にそう思ったのだから仕方がないではないかと懸命に反発するので取りつく島がない。かくして、日本人の対話は成立しない。

山本七平は「『空気』の研究」のなかで、そのことを指摘している。

「驚いたことに、『文藝春秋』昭和五十年八月号の『戦艦大和』でも、『全般の空気よりして、当時も今日も(大和の)特攻出撃は当然と思う』という発言が出てくる。この文章を読んでみると、大和の出撃を無謀とする人びとにはすべて、それを無謀と断ずるに至る細かいデータ、すなわち明確の根拠がある。だが一方、当然とする方の主張はそういったデータ乃至根拠は全くなく、その正当性の根拠は専ら『空気』なのである。最終的決定を下し、『そうせざるを得なくしている』力をもっているのは一に『空気』であって、それ以外にない。これは非常に興味深い事実である。」と書いている。

現実直視のできない日本人は歌詠みになる。歌詠みは討論できない。趣味には論拠がない。There is no accounting for tastes. 何事も言いっぱなしになる。だから、話が通じない。世界の孤児になる。

各人に哲学は必要である。Everyone needs a philosophy. 我々は考える人 (the thinking man) にならなくてはならないでしょう。さすれば、個性豊かな知的な社会になるでしょう。アニマルは、言語がないから個性豊かな生き物にはなれません。

 

 

 

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