足りない視点 2/3

 

>①これまでの論点を言語化し、整理する

>毎週新しいテーマに関する文献を大量に読むことによって、テーマを理解して言語化し、論点を整理します。

 

それは大切な勉強ですね。全ての考えは文章になる。文章にならないものは考えではない。   

 

>何十年、何百年もかけて積み上げられた先行研究の内容を「自分の言葉」で表現する作業です。 

 

古今東西の文献に目を通すことは専門家の下調べですね。   

 

>それをもとに、いままでに何が明らかになっていて、どんな課題があるのかという点について、自分なりの結論を出して小論文にまとめます。 >オックスフォードではこの作業を1年間で8週間×3学期=計24週間繰り返します。

 

大学院生は大忙しですね。   

 

>②不明確な点を明確にする

>完成した小論文を教授に提出すると、チュートリアルが始まります。 >教授によく聞かれたのは、「それはどういう意味?」という質問でした。 >この単純な質問を繰り返されると、不明確だった部分が明確になっていきます。 

 

言語明瞭・意味不明では通りませんね。   

イザヤ・ベンダサンは、自著 <日本人とユダヤ人> の中で、言葉 (ロゴス) について以下のように語っている。

、、、、、 母親が子供に「チャント・オッシャイ」という場合、明晰かつ透明 (英語ならクリヤー) に言えということでなく、発声・挙止・態度が模範通りであれ、ということである。だが、クリアーということは、原則的にいえば、その人間が頭脳の中に組み立てている言葉のことで、発声や態度、挙止とは全く関係ないのである。プラトンの対話篇から、例として『クリトン』をあげてみよう。この対話は、明日の死刑執行を前にして、夜明けに、獄中のソクラテスをクリトンがたずねて、脱獄をすすめるところからはじまる。もちろんソクラテスは寝ている。だがどう読んでみても、ソクラテスが起き上がって、威儀を正して、法の遵守を説いて、クリトンに反論したとは思えない。ソクラテスは、おそらく最後まで寝っころがったままで話しているのだ。従って、この場合、純粋に、ソクラテスの言った言葉 (ロゴス) だけが問題なので、彼の態度や語調は全く問題にされないのである。日本では、「その言い方は何だ」「その態度は何だ」と、すぐそれが問題にされるが、言っている言葉 (ロゴス) そのものは言い方や態度に関係がない。従がって厳然たる口調と断固たる態度で言おうと寝ころがって言おうと言葉は同じだなどとは、だれも考えない。従って純然たる会話や演説の訓練はなく、その際の態度と語調と挙止だけの訓練となるから、強く訴えようとすれば「十字架委員長の金切声」という形にならざるをえない。(引用終り)   

 

>自分の中できちんと理解できている場合はそれなりに回答できるのですが、理解できていない場合はうまく言葉にできずに説得力のある答えができないからです。>この質問のおかげで、自分の理解の曖昧な点を明らかにすることができます。 

 

対話・議論は必要ですね。全ての考えは、文章になる。文章にならないものは考えではない。  

矛盾を含んでない文章は、全て正しい考えを表している。矛盾を含んでいる考えも、その矛盾を取り除けば正しい考えになる。

矛盾を発見し取り除くためには議論・対話が有効である。議論・対話を普及させよう。

考えの内容は、人によりまちまちである。だから、正解は一つではない。幾らでもあるから、人間は個性的になる。考えのない人達は没個性的である。だから、自己実現が難しい。  

 

> 【答えは1つではないことを知る】

>③結論に至った思考の前提を確認する >次に聞かれたのは「どうしてそういう結論になったのか?」ということでした。 >この質問によって、全体の論理展開に矛盾がないか、自分の考えのもとになっている前提は何かを確認していきます。 

 

人間にはリーズン (理性・理由・適当) が必要ですね。リーズナブルな答えが期待されています。     

 

>④洞察を深める

> そのうえでさらに、洞察を深めていきます。>自分の理解や情報が足りない点をクリアにしたうえで、さらにどう思うか聞かれたり、「こういう別の見方もあるけど……」と、反対意見に対する考えを求められます。 >自分とは違う意見と比較することで、自分の視野や選択肢を広げ、そのうえで改めて「自分にとっての結論は何か?」をよりはっきりさせることが狙いです。 

 

論文ではdiscussion (議論・考察) によりその価値が決まりますね。  

 

>⑤理解を積み上げる

> こうしたプロセスの中で、唯一の答えを求められることはありませんでした。 >むしろ、答えは1つとは限らず、多彩な視点があってよいことが強調されます。 

 

考えの内容は人様々ですからね。   

 

>そして、「誰も1人では理解を深めることはできない」という前提のもと、自分とは違う意見にオープンに耳を傾けて、自分自身の思考プロセスを確認する作業を続けるように促されました。 

 

そうですね。他人との意見を交えて自分自身の哲学体系ができますね。   

 

 

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