北村浩司氏 2/2 

 

非現実 (考え) の内容は頭の中にある。だから、見ることができない。それは、ただの話である。その内容を知るには文法に基づいて文章の内容を理解しなくてはならない。これは、骨の折れる仕事である。だから、通常、日本人は理解をしない。忖度 (推察) で代用して済ませている。

理解と忖度は似て非なるものであるから注意が必要である。忖度 (推察) は聞き手の勝手な解釈であるから、話し手には何の責任もない。たとえ両者の間に齟齬が存在しても議論にもならない。現実直視になっていないことを忖度の主に指摘しても、'だって、私は本当にそう思ったのだから仕方がないではないか' と猛烈に反発するので取りつく島がない。かくして、日本人の対話は成立しない。

 

>③さらにそのキリスト教を下敷きにして、西洋で登場するのが近代思想である。> 近代思想の「自由・個人・平等」等は現実に存在しない架空観念であり、「神」をあるべき「人間の理性」に置き換えただけのものにすぎないが、この架空観念は同時に、「自我・私権」を正当化するという性格を持つ。>とりわけ、「権利」とはただ私権を要求することを正当化した架空観念である。 

 

非現実 (考え) の内容は、英語の時制のある文章により表される。非現実の内容はそれぞれに独立した三世界 (過去・現在・未来) の内容として表される。その内容は世界観と言われている。世界観は、人生の始まりにおいては白紙の状態である。人生経験を積むにしたがって、各人がその内容を埋めて行く。自己の 'あるべき姿' (things as they should be) もこの中にある。世界観は容易に変わらない。だから個人の信頼の基礎になる。

自己の考えの内容 (非現実) を基準にとって現実の内容を批判すれば、批判精神 (critical thinking) の持ち主になる。批判精神のない人の文章は、現実の内容の垂れ流しになる。

日本語の文法には時制がない。だから、日本人には世界観がない。そして、日本人には批判精神がない。マスコミも現実の内容をただ垂れ流す。だから、個性がない。日本人は個人主義が理解できない。本人にも相手にも何を考えているのかわからない。だから、相手からも信頼されない。未来社会の建設にも協力者が得られない。かくして社会に貢献する度合いが限られる。

 

>勿論、権利から派生した男女同権論も、生命原理に反する架空観念で、男女同権論が性を封印してしまったことで人類は絶滅の危機に直面している。

 

男女同権論は ‘女子には教育は必要ない’ といったような極端な現実に対抗するための主張ではないでしょうか。同権論が男同士の結婚にまで行き着くのかはわかりませんね。  

 

>この自我・私権の正当化は、必然的に自分のことしか考えない人間を量産し、集団や人類の命綱である共認充足を破壊する。 

 

人間には世界観が必要ですね。来るべき世界の個人的な内容を持つことが大切ですね。そうでないと、自己中心的な考えになります。政治音痴の国民になりますね。     

 

> 加えてこれらは、「自由は絶対」「人権は絶対」等の形で一切の異論を認めない=観念支配をもたらす。

 

原理主義は良くないですね。’清濁併せのむ’ ことも現実の世界に生活する為には必要ですね。これを ‘中庸の徳’ と言うのでしょうか。      

 

>(異論を封殺する役割を担っているのが、かつての教会に代わる大学や学会である)>かくして「自分」以外のことは捨象され、思考停止が蔓延していく。 

 

自己中心主義は不可ですね。無哲学・能天気のインテリではいられませんね。 

我々日本人は日本語と英語の両言語を良く学び、思考における時制の大切さを十分に理解する必要がありますね。英語にある時制 (tense) を使った考え方を会得すれば、我々は自己の意思 (will) を明らかにすることも可能になるし、自分自身の世界観 (world view) を持つことも出来ます。さすれば我々は国際社会において相手の理解も得られ、未来社会の建設に協力することも可能になります。かくして、我々日本人は、人類の進歩に一層の貢献が可能になるでしょう。  

 

>このように近代思想が人類を滅亡に導く構造は、反現実の架空観念、異論を認めない絶対ドグマ化、自我・私権の正当化と三段階が塗り重ねられており、滅亡を加速させる構造となっている。 

 

日本人には現実離れのした内容は信じられませんね。日本語では現実しか言い表すことができないから、現実肯定主義者になるしかありませんね。その副作用として閉塞感が湧いてきて浪花節になりますね。

各人に哲学は必要ですね。Everyone needs a philosophy. 哲学がない人には批判精神 (critical thinking) がありませんね。話の内容が現実の内容の垂れ流しになりますね。これは子供の状態ですね。  

個人主義は必要ですね。個人の考えを持つ権利は必要ですね。これは利己主義 (egotism) とは違いますね。利己主義は恣意 (私意・我儘・身勝手) ですからね。

現実を語るのは難しくない。だが、非現実を語るのは難しい。だから、英米流の高等教育が必要になる。

 

 

 

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